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イチョウ      (イチョウ科イチョウ属:落葉性大高木:樹高 〜45メートル:花期 〜5月)

薬効
糖尿病 痴呆・ボケ 老化防止 アレルギー 動脈硬化 更年期障害
夜尿症(やにょうしょう) せき・たん        
分布生育場所

科名:イチョウ科/属名:イチョウ属
和名:銀杏/学名:Ginkgo biloba
中国原産。北海道、本州、四国、九州の全国に栽培・自生。


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見分け方・特徴

葉は長い葉柄(ようへい)があって短枝に密に互生するため叢生(そうせい)するように見えます。扇形で先端は波状であり、中央部で深く切れ込んでいます。
種名のビローバが葉の2片に切れ込んだ特徴を意味します。
秋になると美しく黄葉しますが、琉球列島の南西諸島では温暖なため黄変しません。
雌雄異株で、種子は直径3センチの卵球形、外種皮は多肉で黄色を呈して特異の糞臭があり、肉種皮は堅く白色をしています。


採集と調整
秋に落ちた実を土中に埋めるか、水につけておくかして多肉の外種皮を腐らせて洗い流し、白い肉種皮につつまれた種子を天日で乾燥させたものを白果(はくか)、銀杏(ぎんちょう)、内種皮を取り除いたものを白果仁(はくかにん)といいます。

イチョウ葉は、街路樹ではなく畑などの汚染されていない葉を、8月ころの一番勢いの良いときに採取します。葉は、よく洗い天日で乾燥してから細かく裁断して容器に入れて保存します。

乾燥したイチョウ葉は、1日量として5〜10グラムを0.4〜1リットルの水で5〜10分煮出します。やや褐色の色で、少し苦味がありますがくせは余りありませんので、レモンやハチミツを入れて、ホットやアイスティーにして飲みます。

ヨーロッパでは、古くから血圧安定や美容効果の健康茶として親しまれています。

 
薬効・用い方
銀杏(ぎんなん)には、デンプン、タンパク質、脂肪、ヒスチジン他を含有する 

白果仁(はくかにん)は、黄色の痰が出て口が乾き、胸痛のある症状の鎮咳去痰薬(ちんがいきょたん)として1回に6〜7個を炒ったり煮たりして食べます。
夜尿症にも効き目があり同様に用います。微量の青酸化合物を含んでいるので用いる量が過量になると軽度の発熱、嘔吐などの中毒をおこす場合があるので、長期間の服用や小児の大量の摂取は避けるべきです。
銀杏葉(ぎんようは)には、コレステロール値を低下させるギンクゲチンが含まれています。
中国では冠状動脈拡張作用が報ぜられて、冠不全にも用いられています。
また、狭心症にも有効であるとされています。
銀杏葉1日5〜9グラムを単味で服用するか、川芎(せんきゅう)、紅花(べにばな)を配合しても用います。

イチョウ葉の主成分は、フラボノイド、ギンクゴリド、ビロバノイドで、フラボノイドからは高血圧症治療薬が作られています。

その他
イチョウは、中国原産で浙江省(せつこうしょう)に野生品があるといわれています。
日本、朝鮮半島、中国で栽培されるます。とくに、社寺の境内では多くの老樹を見ることができます。
日本最大のイチョウは岩手県、長泉寺のもので胸高で周囲14メートルに及ぶものがあります。
現在日本にあるイチョウは、6世紀半ばに、仏教の伝来と共に中国から渡来してきた栽培種だけとされます。古くは自生していたとされますが、地質時代に滅びてしまいました。

和名はギンナンといいますが、イチョウの語源は別名で葉の形が、鴨の足形に似ているからとして鴨脚(おうきゃく)の中国語が「ヤーチャオ」「イーチャオ」といいそれが「イチョウ」になったとされる説が有力です。また、一葉(いちよう)という説やなどがあります。

銀杏(ぎんなん)の名の由来は、中国北方の方言「ぎんあん」から転嫁して「ぎんなん」の名になったという

ギンナンは、白い種子を銀(ぎん)として、形が杏(あんず)の果実に似ているので、銀杏(ぎんあん)とし、それから転訛して、イチョウの種子をギンナンとなりました。

イチョウは、非常に繁殖力が強く、種子の発芽率も高く、どの地方にも多くの寺院に古いイチョウの木がありますが、布教僧が旅の間に使ったイチョウの生枝がそのまま根付いたとも伝えられています。
第2時世界大戦後の一面に焼け野原になってしまった東京で、一番始めに芽吹いた木がイチョウでした。そのために、現在は、東京都の木にイチョウが指定されています。

日本からイチョウ葉が大量にヨーロッパに輸出されていて、ドイツやヨーロッパでは、イチョウの薬効(フラボノイド・ギンコライド)が証明されていて、薬品としての認可を受けています。現在アメリカ・カリフォルニアでは大規模な栽培が行われています。
ちなみに、フランスではイチョウの製剤を「タナカン」と呼ぶそうです。日本から輸入したイチョウの葉とイチョウ製剤を開発した当時の1973年ころの田中角栄総理の名前に由来するとのことです。

秋には、枯れ落ちるイチョウの葉がヨーロッパでは重要な医薬品として認められていますが、日本では、まだ誰も貴重な薬草とは知らないようです。
なお、ヨーロッパでは、イチョウを栽培して葉の勢いのある青い時期に採取して、アルコールで有効成分のイチョウ葉エキスを抽出しています。

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Photo Masayuki Tsuno
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