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水野瑞夫/家庭の民間薬・漢方薬、一般社団法人和ハーブ協会/和ハーブ図鑑、A･シエヴァリエ/世界薬用植物百科事典、牧野富太郎/日本植物図鑑、原色高山植物大図鑑、原色日本薬用植物図鑑、原色日本樹木図鑑、伊澤一男/薬用カラー大事典、橋本郁三/食べられる野生植物大事典、田中孝治/薬になる植物百科、水野瑞夫/食効、所鳳弘/薬草染、山渓/日本の野草・樹木・高山植物、山渓/樹に咲く花1･2･5･8、山渓/野草の名前春･夏･秋冬、木の大百科、木の名の由来、植物名の由来、園芸植物名の由来、草木染、続草木染
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【監修】一般社団法人 和ハーブ協会
 

イ      　　　　　　　 （イグサ科イグサ属：多年草：草丈 ～100センチ：花期 6～9月）

薬効
利尿
分布生育場所

科名：イグサ科/属名：イグサ属
和名：藺/藺草/燈心草/別名：イグサ/トウシンソウ/学名：Juncus effusus var.decipiens
日本全土の湿地に自生。朝鮮半島、中国、サハリン、ウスリー地方に分布



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見分け方・特徴

日本全土の湿地、池、沼、水田の畔などに自生する多年草
高さ70～100センチ、地下茎は短く横にはう
円柱状の細い茎を直立して叢生する
葉は茎の下部にさや状のりん片で目立たないが、花序の上部は苞葉
花は6～9月頃、花穂が側につき小花が数個つく
採集と調整
秋に地上部を刈取り、天日で乾燥したものを燈心草（トウシンソウ）と呼ぶ

　
薬効・用い方
有効成分は、キシラン、アラバン、メチルペントザンなどの多糖類

利尿には、燈心草（トウシンソウ）を刻んだものを１日量5～10グラム、水0.3リットルで半量まで煎じて服用する
小児の夜泣きには、燈心草（トウシンソウ）を黒焼きにして粉末にし、乳首に塗って小児に飲ませるとう記述が「和方一万方（1888/村井杶（ちゅん）」にある
一般に燈心草（トウシンソウ）を黒焼きにするには、材料をアルミホイルに包み、フライパンで焼く

イ（イグサ）の茎の、髄（ずい）の白い部分を、灯心（燈心（トウシン））として、ナタネ油を浸み込ませて灯火用に使い、江戸時代には「灯心売り」の行商人がいて庶民の生活必需品だった
その他
名の由来は、漢名の藺（い）の発音「Lin」が転嫁してヰ（い）となった。という説や、「倭訓栞（わくんのしおり）」には「むしろにするものなれば居（い）の義なるべし」と、イの名をつけた

江戸川柳には「灯心を誰に聞いたか娵（よめ）は飲み」という句があり、江戸時代には早く懐妊したいと願って燈心草（トウシンソウ）を飲んだという

畳表（たたみおもて）の原料は、野生のイグサから16世紀頃に水田で栽培されるようになり、品種改良されて、分げつ型の茎が細く短い品種が熊本県で全国の2/3を生産する

イグサの髄（ずい）を取ったものは、ちまきや笹団子（新潟県）の結ぶ紐として使う
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Photo Masayuki Tsuno
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