「薬草」 の 歴史 と 解説 と 基本

飯沼慾斎と草木図説


飯沼慾斎(1783〜1865)は伊勢亀山に生まれ、幼くして大垣の飯沼家の養子となり、家業である医者

となりました。漢方医学と蘭方医学に長け、医者として高く評価されています。

慾斎は漢方治療に多く用いられていた薬草を取り扱ったことが引き金となり、医者時代に疑問に

思っていた植物の研究に没頭したのは、50歳で家業を譲り植物研究所である平林荘に移って

からである。

伊吹山、白山等、各地から自ら採取し育成した植物を精査しています。

とくに伊吹山での植物の観察が最も多く伊吹山と記載されたものは40種類にも達します。

春日村での採取の記録は古屋でのカラスムギと粕川での大葉コバイモの2種類がありますが、

粕川の大葉コバイモは現在も確認されていません。

慾斎は初めて植物の形態を正確に観察し記録分類するという画期的な方法を採用したもので

日本で最初のリンネの分類法に従った近代科学的植物図鑑「草木図説/1856」(草部)20巻を書き上

げました。

これは学術的にも高い評価を受けて「牧野植物図鑑」が昭和15年に発刊されるまでの半世紀

もの長い間植物を学ぶ者に実際に利用されていたことからも理解できます。

「草木図説」(木部)10巻は昭和52年に北村四郎先生の校正により出版されましたが、イネ・

カヤツリグサ科やシダ・コケ類などの植物など多くのものが江崎美奈子女史宅に残されている

慾斎遺稿の中に今も眠っています。


「春日村古屋で採取されたカラスムギ 」 「春日村の粕川で見つけられた大葉コバイモ」

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